新型コロナ影響により、マスクだけでなく、消毒液も品薄状態が発生してきています。
ならば、自分で消毒液を作れないのかと思いませんか。
消毒と言えば、アルコールを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は、アルコール以外にも殺菌効果がある薬品もあり、自分で消毒液をつくる事ができます。
その、除菌効果のある薬品は、市販の薬品ですが、取り扱いに注意が必要となりますので、そんな取り扱い注意方法も含めた、手作り消毒液の作り方を紹介します。
消毒液の成分を調査
市販の消毒液には、アルコールタイプと、非アルコールタイプのものがあります。
アルコールタイプのものは、刺激性のる成分である為、手荒れの原因になることから、最近は、手荒れしにくい消毒液として、非アルコールタイプのものが販売されています。
この2つの主な成分や、用途を比較すると下記の様なものになります。
アルコールタイプ | 非アルコールタイプ | |
---|---|---|
主な成分 | エタノール | 次亜塩素酸ナトリウム |
用途 | 手・指・家具など | 調理用具・衣類など |
有効な病原体 | 一般細菌、結核菌、ウィルスなど | 全ての微生物 |
効果が薄い病原体 | ノロウィルス等 | 特になし |
新型コロナ影響で、消毒液が品薄になっていますが、アルコールタイプの消毒液の原料である、エタノールも徐々に品薄・価格上昇してきています。
エタノールも入手が難しくなった場合には、次亜塩素酸ナトリウムを利用する事で、消毒液をつくる事ができます。
アルコールタイプの消毒液
先ほど、説明したとおり、アルコールタイプの消毒液の原料は、エタノールです。
こんな、ボトルに入って販売されています。
一般的に、アルコールタイプの消毒液は、エタノールを70%~80%の濃度に薄められています。
2020年3月現在、通常の1.5倍程度の価格に高騰してきていますので、早めに1本購入しておきても良いと思います。
消毒液の作り方(エタノール編)
基本的に、エタノールを精製水で希釈して(薄めて)作成しますので、作成方法は、いたって簡単です。
精製水とは、純度100%の水(H2O)です。
水道水を使用しても良いですが、長期保存ができませんので、水道水を使う場合には、1~2週間程度で使いきれる分に小分けにして作りましょう。
また、できるだけ、不純物を取り除く為、浄水器を使ったものが良いです。
エタノール自身の殺菌力は、濃度が濃い方が、殺菌力が高いですが、エタノールの特性として、揮発性が強い為、あまり濃度が濃いものだと、菌を殺す前に、エタノールが蒸発してしまう為、濃すぎるものは消毒効果が無くなります。
よって、希釈する際のエタノールの濃度は、80%くらいが消毒効果が最も高く、60%以下になると、十分な消毒効果が期待できません。
また、エタノールは、刺激性の他、蒸発する際に水分を一緒に吸い取ってしまう効果がある為、濃度が濃いと手荒れを起こすことがあるので、使い方によって調整が必要です。
その他、アルコール性の消毒液としては、イソプロパノールが使用できますが、そもそもの入手しずらい薬品である点と、親水性ウイルス(ノロウイルスなど)に対する効果はエタノールよりも劣ってしまうようです。
非アルコールタイプの消毒液(キッチンハイターなど)
非アルコールタイプで、殺菌効果のある原料とは、いわゆる、次亜塩素酸ナトリウムです。
ちょっと難しい薬品の様に思われるかもしれませんが、いわゆる、塩素系漂白剤ですね。
市販品でいうと、 厨房用除菌漂白剤として販売されている「キッチンハイター」や、 浴室内のカビ除去で販売されている「カビキラー」という製品が有名かと思います。
消毒液の作り方(次亜塩素酸ナトリウム編)
基本的に、アルコールタイプと同様に、次亜塩素酸ナトリウムを精製水で希釈して(薄めて)作成しますが、純粋な次亜塩素酸ナトリウムは、手に入りにくい為、塩素系漂白剤を薄めて作成します。
厚労省のHPによると、「物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効」 とされています。
>>厚生労働省のHP「新型コロナウィルスに対するQ&A(医療機関&検査機関向け)」は、こちらを参照
身の回り品に利用する場合には、さらに、それを約5~10倍に薄める事で、次亜塩素酸ナトリウムを0.02~0.05%で希釈された消毒液として利用できます。
キッチンハイターやカビキラーの次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、
- キッチンハイターは、6%
- カビキラーは、0.5%
となっています。
つまり、キッチンハイターであれば、約200倍に希釈する事で、身の回り品に使用する消毒液として利用する事ができます。
500mlのペットボトルに、ペットボトル半分~1杯程度で薄める感じですね。
キッチンハイターの原液は、非常に高いアルカリ性になっています。希釈液であっても、手荒れなど皮膚を傷める危険性があります。
原液を直接さわると「ぬるっと」した肌触りかと思いますが、それは、成分自体にぬめりがあるわけではなく、皮膚が解けています。髪の毛を、入れると1分~2分で溶けてしまいます。
その他、過酸化ナトリウム(液体)・過酸化水素水(粉末)を原料とする酸素系漂白剤というものも、殺菌効果があります。
しかし、二酸化チオ尿素やハイドロサロハイトと呼ばれる、還元型漂白剤に関しては、殺菌効果は無い為、間違えないようにしましょう。
余った時に活用方法
今回、紹介した非アルコールタイプの消毒液の原料である、キッチンハイターやカビキラーは、使いきれなく余っても、十分にご家庭で活躍する事ができると思います。
無水エタノールに関しては、電子機器の清掃や、化粧水などにも利用する事が可能です。
まとめ
新型コロナの影響で、マスクについては、既に入手が困難な状況や、普段の10倍以上の価格になっています。
高濃度のアルコール飲料である、ポーランドのウオッカ「スピリタス」が品薄になるなど、アルコール関連商品については、価格が高騰してきている状態です。
次亜塩素酸ナトリウムなど、非アルコールタイプの除菌効果がある薬品について、まだ、通常価格で販売されている様です(2020年3月現在)。
このまま、コロナの感染が拡大すると、マスクの様に品薄状態になってしまう可能性もありますので、早めに確保しておいてはいかがでしょうか?
コメント