テレビのリモコン！、エアコンのリモコン！
みなさんのご家庭には、様々なリモコンがあるかと思います。
しかし、最近、ボタンを押しても反応しないなど、なんか調子が悪いという事はありませんか？
完全にボタンが反応しなくなり、リモコンが故障してしまったかなと思っていても、まだ復活できる（よみがえらせる）可能性があります。
テレビのリモコン等をはじめとして、リモコンは普段の生活で手に触れる機会も多く、リビングなど食べ物の近くで利用する事も多いため、機械的な故障というよりは、様々汚れによって動作しずらくなっている事が多いんです。
今回は、ある魔法の液体を利用して、故障したリモコンを、簡単に復活させる方法をご紹介します。
故障したリモコンを復活させるための前提知識
リモコンをはじめとした電子機器が最も苦手とするものは、「塩分」と「水」です。
今回は、「無水エタノール」という魔法の液体を利用してリモコンを復活させます。
無水エタノール は、エタノール含有率99.5% の純度の高いエタノール （エチルアルコール） す。その名の通り、水は含まれていません。
無水エタノールの洗浄能力を利用して、電子機器の内部にある電子基板についた汚れ・錆などを掃除する事で、水に弱い電子部品でも、接触不良や通電性の回復などにより、故障したリモコンを復活させることができます。
「そんな簡単に修理できるの？」っと疑問に思う人が多いと思います。
しかし、リモコンなどの電子機器の多くは、すごく、シンプルな構造であるため、機械的に故障する事はごく稀で、かなりの確率で復活する事が可能です。
スマートフォンなどの、複雑な電子機器も復活させている人も数多くいるようです。
さらに、この無水エタノールは、一般的な消毒・清掃用に使えるため、 皮脂の汚れやホコリがみるみる落ちていきますので、この特性を活かして、普段は清掃できないリモコン全体を綺麗にすることもできます。
無水エタノールは、リモコン修理の他にも、様々な活用方法がありますので、１本購入しておいても無駄にはなりません。
リモコン修理以外の活用法については、後述していますので、参考にしてください。
ただし、エタノールの取り扱いには、下記の注意点をよく守って利用しましょう。
エタノールは、揮発性・引火性の強い薬品ですので、火気の近くでの使用は行わないでください。
もちろん飲んだり、目に入れたりしてはいけません。
リモコン修理の事前準備
リモコン修理を開始するにあたって、事前準備から説明します。
故障の状態を確認（基板を取り出す）
水に落としたり、ジュース・コーヒー等をこぼしたりして、利用できなくなってから長い間、放置されているものは、電子基板・電子部品の腐食が進んでいる可能性が高いので、復活できる可能性がかなり低下します。
特に、電池の入れっぱなしは電子回路が故障させてしまっている可能性もあります。ここで紹介する作業の手間と、わずかな経費を惜しむかたは、期待せずにやってみましょう。
事前にリモコンを分解して、電子基板・電子部品の腐食状態をよく確認してみましょう。
私は、趣味として、色々とチャレンジするのが好きなので、関係ないですがね。
リモコン修理に必要な道具
作業を開始する前に、下記の一通りの道具をそろえましょう。
- 無水エタノール（必須）
- ゴム手袋（１００均で購入したもので十分）
- 金属トレイ（１００均で購入したもので十分）
- 綿棒か、使い古しの歯ブラシ（歯ブラシの毛先は柔らかいものが良い）
- やわらかい布
- 超音波洗浄機（あると、復活できる確率がさらに向上します）
無水アルコールは、ドラッグストアやネット通販などで、500ml入り、１０００円程度で購入できます。
使い古しの歯ブラシは、毛先が開いたものは、お湯につけるとまっすぐに戻ります（これは、これで、歯ブラシを復活させる裏ワザです）。
超音波洗浄機は、１０００円～３０００円程度で、購入できますが、リモコン程度の修理であれば、そこまでは不要かと思います。
無水アルコールでリモコンの故障を修復する手順（基板の洗浄）
無水アルコールは、皮膚自身に悪影響がある訳ではありませんが、素手で作業すると、指の油も奪い取ってしまいます。基板を洗浄する前ににゴム手袋をして作業してください。
改めて言いますが、エタノールは揮発性・引火性がありますので、火気の近くでの作業はせず、窓を開けたり、換気扇をまわしてながら作業をしてください。
リモコンの修理手順は、下記になります。
- リモコンの電池を外す（必ず実施）
- リモコンを分解して電子基板を取り出す
- 電子基板にボタン電池のようなものがあれば、取り外しておく（ほとんどのケースは無いはず）
- 電子基板についた周辺のチリ、ホコリ等を除去する
- トレイに無水アルコールを入れる（電子基板の高さを確認して、基板が浸る程度で構いません）
- リモコンから取り外した電子基板を、無水アルコールにつける
- ゴム手袋をする
- 綿棒か歯ブラシで、電子基板を優しく洗う
- 電子基板をトレイから取り出して、やわらかい布で軽くふき、乾燥させる
- 必要に応じて、リモコン全体もゴシゴシ洗ってください（これは、普通に食器用洗剤と水で洗ってもよいですが、金属部品がついている場合には、無水アルコールで洗浄しましょう）
- 全体が良く乾燥したら、リモコンを組み立てて完成です
１０分間程度、電子基板を付け込んだあと、綿棒でやさしくこするのが良いと思います。電子基板の隙間に関してだけ歯ブラシで優しくなでるように使うのが良いでしょう。
無水アルコールを入れるトレイは、金属製のものをおすすめします。
ポリエチレン（PE）や、ポリプロピレン（PP）や塩化ビニールなどは問題ありませんが、それ以外のプラスチック製品は溶かしてしまうことがありますので、心配な場合には目立たない場所に少量つけて試してから掃除するといいでしょう。
洗浄後、無水アルコールから取り出したら、しっかり乾燥させてください。
無水アルコールは揮発性がある為、水よりも早くに乾きますが、細かな隙間に残っている場合があります。
また、基板を洗浄する際に、電子部品の接続部に隙間や、ぐらつきが無いかを合わせてチェックしましょう（その際、あまり強く動かさずに、軽く触って状態を確認してください）。
電子部品の接続部に、隙間や、ぐらつきがある場合には、洗浄だけでは復活する事が難しいので、軽く半田ゴテで付け直すと、復活できる可能性があります。
半田や半田ゴテも１００均で売っていますが、不慣れだと、電子部品を熱で壊してしまう為、一旦、上記の手順を行って、それでも、復活できない様であれば試してみるようにしてください。
無水エタノールの活用法（消毒・化粧水）
残念ながら、リモコンが復活できなかった人も、安心してください。
余った無水エタノールの活用法は、他にも利用する事ができます。
一般的に「アルコール消毒」と言われるのは、エタノールでの消毒することを指します。
病院で注射する際、看護師などが脱脂綿でサッと注射する部分を拭いて殺菌しますが、そこで使われているのがエタノールです。エタノールを水で希釈され濃度70〜80％程度で使用されています。
揮発性が高いエタノールは、濃度が100％に近くなるとばい菌を殺す前に蒸発してしまうので、殺菌力を高めるために薄められています。
濃度70%の消毒用エタノールをつかうことで、手あかのつきやすい電気ポットや冷蔵庫・電子レンジの取っ手、キーボードやマウス等は、油汚れなどが非常によく取れて、清潔に保つことができます。
先ほども、説明しましたが、ポリエチレン（PE）や、ポリプロピレン（PP）や塩化ビニール以外の一部のプラスチックは溶けてしまう事がありますので、濃度が高いものを使う際には、注意してください。
また、 水とは混ざりにくいエッセンシャルオイルやグリセリンなどの油成分に、エタノールを含ませることでよく混ざり安くなる為、自家製の香り付きエアスプレーや化粧水を作るなんてこともできるようです。
その他、 接着剤剥がし（原液使用）として、セメダインの接着剤などを剥がすのに利用できます。
まとめ
今回紹介した、リモコン修理に必要な所要時間は１時間程度です。
このような電子機器の洗浄を目的とした薬剤は、「無水アルコール」の他、「接点復活剤」というものがあるそうです。 主成分は油と溶剤であり、洗浄と同時に防錆と潤滑を兼ねています。
昔のアナログテレビなどは、天気の良い日に、水をかけてじゃぶじゃぶすれは、復活した時代もあるそうですが、最近の家電製品は、かなり複雑・高密度になっているので、そういうわけにはいきませんね。
電子機器は、静電気などでほこりを吸着していきますので、故障の原因として「汚れ」というのは、古くから言われている事なんです。
リモコン程度であれば、心配はありませんが、他の大型の家電製品へ応用する場合には、感電などに十分に注意して作業をしてください。
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